ウメモコの森へようこそ~

梅本のカリフォルニア留学日記です。授業、サークル、友達、アルバイト、インターンシップ、文化について発信していこうと思います。

父の謎ムーブ

 

地方転勤を命じられ、わたしはお盆の初日にとある地方都市に引っ越してきた。

初日は電気もガスも通っていないためホテルで過ごし、2日にしてようやく新居での搬入作業が始まりそのタイミングで両親が東京から手伝いに来てくれた。

 

父はDIYが趣味なので、実家から輸送してきたバラバラになったベッドを組み立てるために工具一式を東京から持ってきてニンマリしながらいきこんでいた。

しかし午前中に引っ越し業者の搬入作業が始まり、業者さんがベッドも椅子も組み立て

証明も設置してくれたため父の工具の出番はなくなってしまったのである。

父には申し訳ないのだがそもそも頼んでいない。

しょんぼりしている父を横目にわたしと母はディナーを楽しんだ。

 

次の日、わたしと両親は東京行き新幹線に乗る前にデパートに寄った。父がお土産を買いたいと言い出したのに「疲れた、コーヒー飲みたい」と言い出して駅ナカのカフェで休憩をとることになった。乗車まで1時間もなかったので父に荷物を見てもらいわたしと母はお土産を買いにいこうと父を残して店を出ようとした。

そうしたら父が「ちょっとトイレ行ってくる」と言い出して私達2人を置いて店外の同じフロアのトイレにヒョコヒョコ行ってしまった。

10分待っても帰ってこない。

15分待っても帰ってこない。

いよいよ心配になって母をカフェに残し、わたしはフロアへ探しに出かけた。父は携帯電話を持っていない。広いフロアだから迷ったていたらどうしよう。まさか父に限ってそれはない。父は自転車一つで東京中の漕ぎ回す方向感覚のエキスパートだ。

 

30分近く待てど、探せど見つからない。

カフェの店員さんがわたしたちの心配をして「館内放送でお連れ様をお呼びしましょうか」と申し出てくれた。気遣いは嬉しいのだが、それはシュールすぎないか。いい年した中年男性がデパートで館内放送される、こんな面白い話はない。「大丈夫です(wwwww)」マスクの下で笑いを堪えた。店員さんがイケメンだったのもシュールさを加速させた。

 

わたしはまた父を探しにフロアを探しまわった

母はこんなときも平然とした様子で落ち着いている。

 

 諦めて館内放送で呼び出してもらおうとした矢先

 

母が飽きれた顔でわたしを手招きして呼んだ。

 

奥で父がまるで何もなかったかのようにコーヒーを飲んでいた。

わたしは父に駆け寄って「どこにいたの!!」と問いかけた

 

父は答えた

「うんこしてた」

 

父がかぶっていた麦わら帽子を投げ捨ててやろうかと思った。